All the past SILVIA 歴代 シルビア |
初代 CSP311型 1964.04〜1970.06
初代シルビアは贅沢な装いに高度なメカニズムを備えて 1965年04月に登場した2シータークーペ ボディのほとんどが手作りで鉄板同士の継ぎ目がない物で ドイツのデザイナー A・ゲルツの指導のもと日産社内でデザインされたらしい ベースになっているフェアレディ1600が81万円なのに対しシルビアは約120万 クリスブックと呼ばれたSR型フェアレディ フェアレディ1600のメカニカルコンポーネンツを流用 シャシーはダットサン310がベース エンジンはR型1.6リッター ポルシェシンクロを持つ4速MTと日本初のディスクブレークを導入 1970年までに554台が生産されたがシルビアの名はいったん途絶えてしまう 価格が高くなってしまったのと続々と発売される新モデル車に性能が劣るという2つの問題からフェアレディ1600からフェアレディZに移行した時点で1970年まで生産されたシルビアは途絶えてしまいます
シルビア
1965年04月に発売された日産の車です そして今は7代目シルビアと実に30年以上の歴史を持ちます 名前の意味/由来は ギリシャ神話の美しい清楚な乙女の名 語源はラテン語で 森 の意を表します とても美しい名前とは裏腹に力強いシャープな走りをしてくれるスペシャリティーカーです
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二代目 S10型 1975.01〜1979.03
1975年シルビアは5年間の沈黙を破り 新しい時代にマッチしたスペシャルティカー として再登場した バイオレッドやブルーバードUからシャシーコンポーネンツの多くを流用し足回りにはサニーエクセレントの前輪リーフリジットを使ってスタイリッシュなボディを被せた物 ファストバックスタイルと呼ばれる斬新的なデザイン エンジンはL18型シングルキャブの1種類 ワイドバリエーションの時代にあって異色の存在だった ミッションは4,5速MTと3速AT
LSタイプX
昭和51年の排出ガス規制対策を行いEGI付きのLSEを追加した1976年に続き 1977年にはフェイスリフトをメインとしたマイナーチェンジが施された 外観の変更は大型コーナーラバー付きバンパーの採用やラジエーターグリルのデザインの変更など メカニカル面での改良はほとんど見られず従来型の物を踏襲している 最上級グレードとして タイプXベースのLSEタイプGがバリエーションアップされアルミホイールやカセットステレオ,サンシェードガラス等を標準装備とした
LSEタイプG
昭和40年代後半に起こったオイルショックにより原油価格が跳ね上がり ガソリンをはじめとして石油製品からトイレットペーパーまで物不足と言う時代になった 町の夜のネオンもほとんどが消される程で 自動車の排気ガスを含む公害問題も表面化し 各自動車メーカーは低公害,低燃費の自動車を作る事になっていった トヨタのTTC 日産のNAPS ホンダのCVCC マツダのAP 三菱のMCA-JETなどである 2代目シルビアは当時夢のエンジンと言われていたロータリーエンジンを搭載して登場すべく開発が進められていたが燃費などの問題からロータリーの開発を断念し 急遽レシプロエンジン搭載車に仕立て直したものである 71年デビューのブルーバードUに始まり 710バイオレット B210サニーと続いてきた曲線基調のスタイリング路線に沿った2ドアハードトップボディを除けば シャシーはサニー・エクセレントからパワートレーンはブルーバードUからというようにメカニカルコンポーネンツはすべて既存他車からの流用 当初のパワーユニットは50年規制をクリアしたL18シングルキャブユニットのみでギアボックスは4速/5速のマニュアルと3速オートマチックの3種 バリエーションは装備品の多寡によってLS/LSタイプS/LSタイプL/LSタイプXの4種が存在した 1976年5月には51年排ガス規制適合と同時に電子制御燃料噴射付きのL18Eを搭載したLSEを追加 1977年8月にはフェリスリフトを受けるとともにカセットステレオやアルミホイールなどを標準装備したタイプGが加わり 1978年9月にはツートーンに塗り分けられた特別限定車のセレクトモデルが販売された
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三代目 S110型 1979.03〜1983.01
従来型シルビアが販売面で満足のいく成果を収められなかった事からニューモデルは先代登場から3年5ヶ月という早い時期に投入された もっともこれはホンダのプレリュードがパーソナルカーという独特のセグメントを築いた事への対抗策でもあった 3代目のスタイリングはフォードのマスタングに似ていたが直線基調で端正なフォルムと言える エンジンはL18型からZ20型,Z18型へと変更を受けた スポーティな雰囲気を持つこのシルビアはプレリュードの牙城に食い込み 若い世代のユーザーを中心に高い人気を得ている
ハードトップ2000ZSE-X
当初 ハードトップボディのみの設定だったシルビアにリアエンドまで傾斜したピラーを延長しテールゲートを設けたハッチバックが投入されたのは1979年の事である 既にリフトバックで独走状態していたセリカに対抗する為にセリカと同じボディバリエーションとして揃えられたのだと言う ボディサイズは全長がハードトップから75mm延長されているだけでその他は変わらない エンジンや足回りなどのメカニカルコンポーネンツもハードトップと共通 内装ではスプリットリアシート等の組み合わせで5タイプの車内バリエーションが可能 ラゲッジスペースを有効活用出来た 日本初のワンアームワイパーはこのモデルから採用された装備
ハッチバッグ2000ZSE-X
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四代目 S12型 1983.01〜1988.05
1983年にフルモデルチェンジ 4代目シルビアであるS12が登場 ほぼ同時にデビューしたAE86スプリンタートレノが大ヒットしてしまいあまり売れ筋ではありませんでした 細部のデザインワークに劣ったという事が販売につながらなかったらしい リトラクタブルライトとエレクトロニクス装備を充実させたS12となりました グレード名こそ変わりませんでしたが 1986年のM/CでついにCAエンジンが採用されました シルビア初のターボ車もこの型式で採用されました
ハッチバック2000ターボ RS-X
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五代目 S13型 前期1988.05〜1991.01 PS13型 後期1991.01〜1993.10
1980年代後半から末にかけて日産車のデザインは日本車をリードするものであった なかでも1988年に登場したS13型と呼ばれるシリーズ5代目のシルビアは 完成されたデザインでその頂点に立つと言っていい 当時人気の絶頂にあったホンダのプレリュードの市場を強く意識したスペシャリティモデルで アートフォースシルビア と日産が名づけたように そのスタイリングの美しさを前面に出しデートカーとして若年層にアピールした ターボモデルのK's 自然吸気のQ's & J's という3グレード構成で 前期型はCA18型1.8L直4DOHCを 後期型はSR20型2L直4DOHCを搭載した 市場における反応はデビュー当初こそ日産の思惑通りであったが 時代はRV人気によるスペシャリティカー受難期に突入しており 結局は貴重なコンパクトFRスポーツとして デビュー時のイメージとはかけ離れた 走り屋系 のクルマという評価を高めていく オーテックジャパン製のコンバーチブルモデルも設定されていた
S13 前期1988.05〜1991.01
PS13 後期1991.01〜1993.10
1988年 先代からフルモデルチェンジされたS13シルビアは排気量1800ccのCA18型発動機を搭載しタ−ボの K's(CA18DET)と NAの Q's J's (CA18DE) の3グレードがあった 1991年にマイナ−チェンジを行う これ以降のモデルは通称 後期 と呼ばれ車両型式も PS13になる SR20型発動機を採用し 排気量が2000ccになる CA18DET型の175psから205psの SR20DET型になった事は大いに意義のある事だろう タ−ボの K's(SR20DET)と NAの Q's J's (SR20DE)の3グレードがあった S13のオプションであった4輪操舵システムもPS13ではスーパーハイキャスに進化 ※スーパーハイキャス(4WS) = 日産の4輪操舵システム(4WS)の名称 センサーがコーナリングの横力に反応して後輪が前輪と同じ方向に曲がる この方式はその後ハイキャスUに進化し後輪が前輪よりわずかに遅く動くようになり より自然なハンドリングに改善された さらにシステムにコンピューターを導入したのがスーパーハイキャスで 中低速時に速い操舵を行った場合には後輪を瞬間的に逆に曲げるなど 更に細かいハンドリングのコントロールができ目標の走行ラインにより正確に近づけることができる ※前期後期の見分け方として 外観では素人には判らないほど細かい箇所のみが変更されている しかしよく見ると 3連プロジェクタ−ヘッドランプの場合 前期は中央フォグが角形 後期は丸形となる リヤ周りでは トランクキ−シリンダ−のデザインの違い 前期は逆台形 後期は長丸形となる リヤスポイラ−も前期はLED式ではなくバルブ式となる 後期のリヤスポは翼のイメ−ジで開発されたモデルでLED式のハイマウントストップランプが組み込まれている アルミホイール(AW)も違うデザイン 前期は俗に火の玉ホイ−ルと云われるデザイン 後期は7本スポ−クのシンプルデザイン 内装では 前期のステアリングには中央にSILVIAと記されており 後期はNISSANと記されている その他にシ−ト形状も違う 前期はヘッドレスト一体式 後期はヘッドレストが取り外し式となる エアコンパネル(オートのみ)は 前期は液晶表示部が設定されていなかったが後期から設定された リヤシートのシートベルトが前期では2点式なのに対し 後期ではELR3点式に変更された ワイパースイッチが後期では無段間欠式に変更された(J's除く) 各種オーディオも後期のほうが質感が高い 車体色の設定も違う 前期で2ト−ンではない色は必ずドアミラ−は黒色 後期では車体同色に変更された 前期のライムグリ−ンツートンは当時イメ−ジカラ−だった 前期にはパールホワイトの設定はない 後期からの設定となる サスペンションは 前期後期共通のリヤ:マルチリンク式だがブレ−キロ−タ−の径が後期は拡大されている ブレーキローターのφ30mm拡大で制動時の安心感がかなり違う 前期のHICAS-Uは後期で進化型のSUPER HICASとなる エンジンカバ−は前期:ターボ・NAともに 赤 だが後期は ターボ:赤 NA:淡いゴ−ルド である
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六代目 S14型 前期1993.10〜1996.06 後期1996.06〜1999.01
1993年10月に発売したS14型は 意のままの楽しい走りとセンスの良さを徹底追及したスタイリッシュスポーツクーペ をコンセプトとし 均整のとれた美しくスポーティなスタイルと アクティブセーフティを基本にFR車の持つ楽しい走りを徹底追及され そのスタイルは水平基調の流れるようなホリゾンタルストリームシェイプを核とし タイヤの存在感をアピールするためにタイヤをできる限りボディの四隅に置くなど 均整のとれたエレガントでスポーティなプロポーションを実現されている インテリアには 低いドライビングポジションとドアアームレスト センターコンソールのボリューム感により腰回りに適度なタイト感を持たせ 走りの高揚感を演出され エンジンは軽快さとレスポンスの良さで定評のあるSRエンジンに改良を加え 大幅な出力向上をはかるとともに よりリニアなレスポンスのエンジン特性となっている あわせてエンジン本体の剛性向上などにより 静粛性の向上も行われている 1996年に行ったマイナーチェンジでは シルビアの持つ高性能な 走り をさらに強調するため エクステリアをダイナミックでスポーティなデザインに変更した他 インテリアについても運転席まわりを中心に改良を加え 走り の楽しさを演出するとともに快適性 実用性も向上されている また タービンに初のボールベアリングタービン,高応答NVCS,過給気電子制御システムを採用
SR14型 Q's Club Selection(4AT)
デザインも先代に比べてやさしい形になり ギリシア神話の女神 シルビア の名を冠するにふさわしいデザインと言える S13のとんがったイメージはどちらかと言えば豊満なイメージへと変わり初代のシルビアに近くなった(スペシャリティーカーを強調) しかし パワーユニットは強化された エンジン形式こそ同じSR20DEだが馬力はターボモデルで実に220馬力を発生していた S13は200馬力出ていなかったからこれはかなりの強化といえる 一番初めの1800ccのシルビアに比べれば65馬力の出力アップ NA(自然吸気 ターボ無しのこと)モデルでも20馬力の強化 圧縮比も0.5アップの10.0を達成されている 装備されたタイヤも14インチから15インチに変更され走りの性能を煮詰めている(スポーツカー寄りの強化)
特に大きな変更は 50mmのホイールベースの拡大と 幅がたった30mmオーバーしたが故の3ナンバー化 これは スペシャリティーカーとして見た場合は悪いことではない 室内スペースは拡大し乗りやすい 豪華なスペシャリティー とすることができる 本来は日産はスペシャリティーカーを目指した が 幅こそ3ナンバーサイズであった物の全長は4470mmと3ナンバーサイズにはまだ230mmの余裕があり中途半端な3ナンバー化はあまり肯定できるものではない ホイールベースの拡大に関しては一概にスポーツ性を否定しているとも言えない これによってバランスが取れるということもあるからである
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七代目 S15型 1999.01〜2002.08
1999年01月に発売したS15型は 開発コンセプトを 見て,乗って,走って,エモーションを感じる軽快コンパクトなスポーティクーペ としてワクワクするようなエモーションを感じるクルマとして開発されました エクステリアは スピード感溢れる彫刻的フォルム をデザインテーマに見た瞬間にスピード感と軽快な走りを感じさせるデザイン 低くスラントした前進感のあるノーズ FRの走りを表現した踏ん張り感のあるリヤフェンダー ウエッジのきいた2本のキャラクターライン サイドからリヤに回り込む独特の面形状などで シルビア が持つ 速さと美しさのイメージ が表現されている インテリアはドアを開けた瞬間にスポーツマインドをかきたてる個性的な空間とされている タコメーターをメーターパネルの中央に配置し フロントピラーにブースト計(spec-Rシリーズに標準装備 spec-S エアロは油圧計)を装備し走りの臨場感が演出されている 走りについては 2リッター直列4気筒インタークーラーターボエンジンSR20DETの出力を250馬力に向上させ(6MT車) パワーウエイトレシオ 5.0kg/ps 以下を実現するとともに クロスギヤレシオの新開発6速マニュアルトランスミッションを採用し 軽快な加速性能を実現している また 5ナンバーサイズとした車両寸法 ボディ剛性の向上 レスポンスとコントロール性に優れたヘリカルLSDの採用(16インチタイヤ装着のMT車) サスペンションの改良などにより軽快な運動性能が実現されている 制動性能についても フロント対向4ピストンブレーキ(spec-Rシリーズ)やブースターのサイズアップなどにより 剛性感のあるブレーキシステムとなっている 更に MT車ではエキゾーストシステムのチューニングを行い 低回転域で迫力があり 高回転域までリニアに伸びるエモーショナルなエキゾーストサウンドとなっている
SR15型 spec-0R Vパッケージ(6MT)
ターボモデルであるspec-Rとは違うNAならではの鋭いピックアップとリニアなレスポンスを目指して誕生したのがシルビア・オーテックバージョンです spec-Sに搭載されているSR20DE型エンジンをベースに専用チューニングされています まず気が付くのがエンジンカバーが真紅になっている点です 中身はノーマルの圧縮比10.0から11.7に上げることで燃焼効率の向上を実現 次に フジツボ製ステンレス製等長エキマニの採用や専用マフラーによる高回転時の排気効率の向上 更さらに吸・排気双方のカムプロファイルを変更しオーバーラップとリフト量の増大 また日産独自の可変バルブタイミングコントロールシステム(NVCS)を搭載し 専用コンピュータによりノーマルの165psから200psへと大幅にパワーアップが図られています エンジンの高回転・高出力化に伴い spec-R に採用されているにアイシン製(トヨタ自動車系列部品会社) 6速MTを採用することにより spec-S のファイナルギヤを使ってトルクバンドをはずさないギヤ比に変更されています シャシー面では spec-R のシャシーを使うことにより高剛性ボディを獲得し さらに駆動関係ではトラクション性能と自在なアクセルワークを可能にするトルク感応タイプのヘリカルLSDをリヤに採用し NAならではの俊敏な立ち上がり加速を実現しています インテリア関係では専用シルバーメーター & チタン調フィニッシャー オゾンセーフフルオートエアコン 専用パンチングスウェード調トリコット
シルビアコンバーチブル・ヴァリエッタ 遊び心溢れるオープンカーに快適さを備え自在に変化を楽しめるスポーツクーペ をコンセプトに開発され 爽快さと快適さを両立させた国産初のフルオープンタイプの電動メタルルーフを採用 フロントシートのメイン部に世界初のモルフォトーン(R)クロスを採用 グレード名称のVarietta(ヴァリエッタ)はイタリア語の 変化 からの造語 S15シルビアをベースとし ヴァリアブルメタルルーフと名づけられた電動開閉式ハードトップを備えるヴァリエッタ 1999年の東京モーターショーに参考出品され翌2000年に市販化された 製作は日産の特殊車両製作子会社であるオーテックジャパンが担当した メタルトップの開閉はトヨタソアラなどに比べると比較的平易に行われているように見える 後ろヒンジで大きく開くトランクリッドに素直に収納されるのだ その分クローズド時のシルエットはキャビンが極端に小さく Bピラーから後ろが広大に見えるのは仕方のないところ そのアンバランスさが個性的だという言い方もできるだろう 2+2の4シーターだがリアシートはミニマムサイズ 標準タイプのクロスシートにはアマゾン川に生息するモルフォ蝶の鱗粉の発色原理を用いたモルフォテックスという繊維を織り込んだクロスを採用する 見る角度や光の加減で微妙に光沢が変わるというシロモノ 本革シートも選ぶことができた エンジンは直4DOHCのみ
基本的なシャシー&ボディはS14型を流用しているが様々な点において進化している
spec-R
spec-S
オーテックバージョン
ヴァリエッタ
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All the past GAZELLE 歴代 ガゼール |
初代 S110型 1975.01〜1979.03
ハードトップ2000XE-U
初代モデルの登場 ガゼールはシルビアの姉妹車として 1997年に登場した新型のスペシャルティモデル 1979年に3代目のシルビアが誕生した際に細部にメッキパーツを多用した上級グレードの派生車としてラインナップ 低いノーズライン 傾斜したフロントウインドウに対して ノッチを強めたリヤウインドウと水平のリヤデッキが形作るスタイルに 角型四灯式ヘッドランプ,大型バンパー,オペラウインドウを採用 スポーティさとファッション性を加えた斬新なスタイルの本格的スペシャリティ・カーを追求 ガゼールという名は アフリカやアジアに住む 小型羚羊で 日本では総称して カモシカ に由来する その基本的なメカニカルコンポーネンツはシルビアと同じだったが 外観と内装を少々変更してシルビアよりラグジュアリーな位置付けとされていた 機能面はシルビアと共に日本初のドライブコンピューターの採用や本格的カーコンポーネントステレオを装備するなど充実している 最高グレードは XE-U 販売はシルビアがサニー店に対し ガゼールはモーター店での取り扱いだった この時期多かった 販売店系列向けの姉妹車である 従来から定評のあるZ18型エンジン(1800cc車)を採用するとともに4気筒で2000cc 急速燃焼方式による新開発のZ20型EGI(電子制御燃料噴射装置)付エンジンを採用し優れた動力性能を実現 前輪ストラット式,後輪4リンクコイル式サスペンションを採用 ステアリングのギヤをバリアブル化(1800cc車) エンジン回転数感応式パワーステアリング(2000cc車 西独ZF社と提携)を採用 高水準の操縦安定性と機敏な走行性能を実現した 急速燃焼方式により53年度排出ガス規制に適合させ燃料経済性の改善を図るとともに 54年度騒音規制に適合させた 居住性のために 室内幅の大幅拡大(従来車1100mm) ヘッドクリアランスの改善や 空調,換気性能の向上をはかる 運転席にドライバーの身体をサポートする6ウエイシートを採用 遮音材や吸音材の適所な採用により 室内の静粛性を向上させた ドライブコンピューター,コンポーネントオーディオ・システム,夜間の走行を一段と快適にするトータルイルミネーション・システムや 一窓式集中警報装置など数々の新機構を採用した 昭和58年にはS12型にモデルチェンジするが 昭和61年のシルビアのマイナーチェンジに伴い シルビアに統合という形でその幕が下りた
ハッチバック2000XE-U
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二代目 S12型 1975.01〜1979.03
1983年3月 ニ代目ガゼール(S12型)登場 ワイパー付フルリトラクタブル・ヘッドランプを採用 搭載エンジンは先代のZ型に替わり CA18E型直4・1800cc CA18ET型直4・1800ccターボ FJ20E型 FJ20ET型直4・2000ccターボの4機種 世界初のパワーウーハー,日本初のチルトアップ機構付電動ガラスサンルーフおよびキーレスエントリーを採用 1986年2月 シルビアがマイナーチェンジされCA18DET型DOHCターボエンジンが搭載されるも ガゼールは生産終了となりシルビアに車種統合される
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All the past 180SX 歴代 ワンエィティ エスエックス |
初期型 RS13型 1989.03〜1991.01
日本では1989年にガゼールの後継車種として販売が開始されたが すでに米国では2400ccのKA24E型SOHCエンジンを搭載し 240SX(トゥー・フォーティー・エスエックス) として販売されていた また欧州では 日本仕様と同じ1800ccのCA18DET型DOHCターボエンジン(175ps)を搭載し 200SX(欧州各国で読みは異なる) として販売した 初期型の特徴としては 日産の翼形グリルをイメージしたダミーのグリルがフロントバンパーにあること 前席シートがヘッドレスト一体型なことである グレードは TYPE I とTYPE II で TYPE I はスピーカーや電動ドアガラスが付かないなど競技用のベース車用途を対象にしていた 尚 米国版の240SXにはノッチバック・クーペ仕様が存在する これは車体後部がシルビアと同じで 後に作られた シルビア に 180SX の前部外装を取り付けた改造車のワンビアと同じ形状となる 尚 これの逆をシルエイティと呼ぶ
1989年03月
180 は排気量の180センチリットル(1.8リットル)を表し SX は輸出用のネーミングである 国内モデルは ワンエイティ アメリカ向けモデルは トゥーフォーティー ヨーロッパ向けモデルは トゥーズィロズィロ,トゥーオーオー と読む 兄弟車の シルビア(S13型) とは主に車体前面と車体後部が違い ヘッドライトにリトラクタブルヘッドライトを装備 車体後部はハッチバックに変更されている 元々は北米向けS13型シルビアであり 北米の法規上S13型のヘッドランプの高さでは認証が取れないため S12型シルビア(北米では200SX)同様リトラクタブルヘッドライトとされた 従って北米向けにはシルビア同様ノッチバッククーペも存在した シルビアとの共通部分は ハンドルを除く内装とドア前面ガラスなどである 軽量コンパクトな5ナンバーボディで後輪駆動方式をとる近年貴重な車でもあり 若者向けのスポーツカーとして生産が終了した現在もなお ポピュラーな存在となっている プリンス店系列,チェリー店系列(現在のレッドステージ)で販売されていた
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中期型 RPS13型 1991.01〜1996.08
1991年にはマイナー・チェンジにより エンジンを従来の CA18DET型 から SR20DET型2000ccDOHCターボエンジン(205ps) に変更 排気量は 2000cc となったが 車名は 200SX とはならずに 180SX のままであった この時にフロントバンパーのデザインが大きく代わり ダミーのグリルが廃止されボンネットとバンパーの段差が無くなった 見かけが違う為に 初期の1800ccエンジン搭載車を RS13型 または初期型の2000ccエンジン搭載車を RPS13型 または 中期型 と区別することも多い 1993年にシルビアが S14型 にフルモデルチェンジを行ったが 180SXはそのまま販売が継続された 尚 欧州版200SXはS14型に切り替わっている この中期型は ほぼ5年間基本的な仕様を変更していない為 もっともよく見かけるタイプとなった 1991年01月
1992年01月
1994年01月
1995年05月
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後期型 RPS13型 1996.08〜1998
1996年にビッグマイナーチェンジを行い後期型となる フロントバンパー,スカイライン風の丸型リアコンビネーションランプ,リアウイングなどが変更され SR20DE型2000cc自然吸気エンジンを搭載したグレード(タイプS)も設定された FR駆動のスペシャリィクーペ 特徴的なリトラクタブルライトの5ナンバーサイズボディに 2000cc直列4気筒を搭載 ターボモデルのタイプXとタイプR ノンターボのタイプSとタイプGをラインアップする タイプSはサイドシルプロテクターを標準装備 ボディのワイド感を強調し新車体色イエローの設定などを行っている ミッションは5速MTと4速AT 日産独自の 4WS スーパーハイキャス パッケージ装着車をターボモデルに用意し高い回頭性と操縦安定性を持つ
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SILEIGHTY シルエイティー |
RPS13型 1998.10
起源 : 元々S13型シルビアと180SXは兄弟車で ある走り屋が 180SX の前部を破損してしまい 修理するのに部品が高い180SXの部品を使うよりは 玉数があり部品代の安いシルビアのフロント(前部)を使ったらどうだろうか と言う単純な発想から生まれた車両である そのスタイリングがあまりに美しかった為 新車販売されるに至った ドリフト関係では有名な改造だったが 漫画の 頭文字D に登場したことで一躍世間一般にも広がった 尚 逆バージョンのワンビア(エイシル等)も存在するが 価格上のメリットがないため数は少ない ただし北米仕様の240SXのクーペ版(日本ではシルビア)は ライトの関係で元々ワンビアの状態で販売されていた 尚 三菱車でもランサーエボリューションのフロント部分をミラージュやリベロに移植するというパターンがある 新車販売 : 1998年 名古屋のチューニングショップきっずはーとが 日産系のディーラーに製作委託したシルエイティの新車を発売した 日産純正扱いとなるため日本全国の日産のディーラーで整備を受けることもでき 純正オプションもニスモ製LSDなど用意されていた 500台限定で販売を終了 カラーリングは イエロー スパークシルバーメタリック ミッドナイトパープルパール スーパーブラック ホワイトの計5色
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NISSAN SILVIA FR DNAの系譜
シルビアとは ギリシャ神話に今なお生きる美しく清楚な乙女の名で シューベルトの歌曲 ドリーブの舞踏組曲など数々の名作のテーマになっている ニッサン シルビア は そのイメージを21世紀の感覚でアレンジした 最も 魅力的な車 としてシルビアの名称を採用 当時まだ国産車には稀だったカスタムカー風の流麗なボディとともに 最新鋭のメカニズムを駆使したエンジンとシャシーをそなえたクルマとして お洒落心とスポーツマインドを併せ持つ方々に愛されてきた その大きな要因として 駆動輪と操舵輪を独立させたFRのシャシーに 直列4気筒エンジンを初代のCSP311型から最終モデルとなるS15型まで貫いたことが挙げられる しかしそれは頑固な伝統というよりも いま求められるスペシャリティ・カーとは何か? を真に問い続けた結果で 歴代のシルビア開発陣はそのプライオリティを走りの楽しみに置いて考えてきた 国内では比較的小数なカテゴリーの存在であった スペシャリティ・カー の市場にデビューしたCSP311型は 少量生産ではあったが そのインパクトは大きく生産終了後も多くの方々に支持され 7年後には輸出をも視野に入れたS10型のデビューに至る エンジンはCSP311型の 1600ccから1800ccへと変更 その後に続くS110型/S12型では1800ccと2000ccの2本立てとしターボモデルも追加 そして S13型の前期型では排気量を1800ccに見直し これはハイパワーだけを追求するのでなく 操って楽しいハンドリングを重視する姿勢の現れだった S14型こそ衝突安全性を高いレベルで実現するためにゆったりとしたボディとなっているが S15型は先代をベースとして5ナンバーサイズとなる 2リッターの本格的スポーティクーペとして 乗ってワクワクする 感覚を味わえるクルマに仕上がっている 美しいスタイルに隠れた スポーツカーの入口といえる硬派な使命を貫いたシルビアとは そんな個性を磨いてきたクルマなのです
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