人体の話

★涙には2種類の味がある。 涙が出るのは、 交感神経と副交感神経が働くからだが、 悔しい時は交感神経が働き、 ナトリウムを多く含んだ塩辛い涙に、 嬉しい時や悲しい時は、 副交感神経の働きで水っぽい涙となる。 ★冬は睡眠時間がもっとも長く、 夏に比べると40分も多い。 これは、食糧が乏しい冬を生き延びる為に、 エネルギーを温存しようとした古代人の名残で、 春に眠いのは、冬の睡眠時間に体が慣れ、 なかなか元に戻れないから。 ★ビタミンCは、 風邪のウィルスに対する、 抵抗力をつける働きがある。 風邪薬にたっぷり含まれているのはその為で、 モルモットによる実験でも証明済み。 風邪をひきやすい冬は、 ビタミンCの豊富な食品を沢山食べよう。 ★手足の先が冷たい時は、 マフラーを首に巻くと良い。 気温が下がると体の中心を温めようとする為に、 末端の手足まで血液が流れなくなる。 つまり、体の中で寒さを感じやすい首を 冷やさなければ、 手足の先まで血液が行き渡るから。 ★高血圧の家族の為に、 冬のトイレにはヒーターを入れたい。 温かい布団の中から出て、 寒いトイレに入ると、 血管がギュッと縮まり血圧を上昇させる。 大の方で力んだりすると、 もっとも危なく、脳出血まであり得る。 ★寒いからといって必要以上に厚着をすると、 かえって体を冷やす事になる。 寒い外から屋内に入って汗をかくと、 汗の蒸発で体の熱が急激に奪われる。 下半身はしっかり着込み、 上半身は薄着にする事が冬服として良い。 ★乾燥した寒い冬でも、緊張したり、驚いた時に、 手のひらや足のうらに汗をかく事がある。 これは原始時代の狩りの名残で、 緊張した時は棒を持つ手や足の滑り止めとして、 手足に汗をかくように進化したから。 ★風邪で高熱が出るのは、人体防衛反応の一つ。 風邪の原因となるウィルスは、 高熱が苦手で働きが鈍るのに対し、 人体を守るリンパ球は、 高熱の方が働きが活発になる。 人体は高熱を出す事でウィルスに対抗している。 ★アクビはうつると言うが、 冬の満員電車や教室の中は特にそう。 大勢の人が居る閉め切った空間では、 空気中の酸素が不足する。 この為に、 脳が酸素を多く取り込むよう命令するので、 深呼吸としてのアクビが出やすくなる。 ★寒い外から急に温かい部屋に入ると、 鼻血が出る事がある。 これは、鼻の穴の奥にある薄い粘膜が刺激され、 急に毛細血管へ、 血液が大量に流れ込んで鼻血が出る。 鼻の付け根に、 冷水で冷やしたタオルをあてればおさまる。 ★寒さが女の子の大敵なのは、 気温の低さから血行が悪くなる為に、 冬は肌荒れの季節となるから。 男の子だって肌荒れする事もあるし、 その上、血行の悪さは抜け毛にもつながる為に、 性別に関係なく辛い季節なのだ。 ★風邪予防に効果絶大なのが手洗い。 インフルエンザのウィルスは、 常温で何日も生き延びる為に、 手から、口や目や鼻へ入りやすい。 又、粘膜に付着したウィルスは 20分で細胞内に侵入する為に、 うがいでは間に合わない。 ★寒い冬の夜にトイレでオシッコをすると、 体がブルブルっとふるえる事がある。 これは、 温かなオシッコを体の外に排出した事により、 体温が奪われたからで、体をふるわせる事で、 体温を元に戻そうとする反応。 ★冬に屋台のラーメンを食べた時等に、 鼻水が出てくるのは、 鼻の穴の奥にある粘膜を、 温かなラーメンの湯気が刺激するから。 寒い大気に慣れていた鼻粘膜は、 ビックリして水分を出して冷やそうとする。 ★力士が寒い冬でも浴衣一枚で平気なのは、 皮下脂肪が多いからではなく筋肉質だから。 筋肉は、 エネルギーを熱に変える働きがあるからで、 防寒衣料の代用となる。 力士の体を調べると、 意外な程に皮下脂肪は少ない。 ★痛がゆいヒビワレは表皮が裂けた物で、 アカギレとなると裂け目が、 真皮を通り越して毛細血管まで到達する。 アカギレになったら患部にワセリン等を塗り、 ラップをしてから、 靴下や手袋等をして寝る事で症状が和らぐ。 ★コタツで寝ると風邪をひくのは、 足だけが温まるから。 足は外部の影響を受けやすい場所で、 足が温まると自律神経が働き、 体温を下げようとして発汗・放熱する為に、 温まっていない上半身からも、 熱が逃げてしまうから。 ★寒いと鳥肌が立つのは原始時代の名残。 現代人には、それ程、体毛は生えていないが、 全身毛だらけだった原人の名残で、 毛穴は残っている。 寒い時に毛穴を縮めて、 毛を立てて体を温めた反応が、 毛がない為に鳥肌状態に見える。 ★足の先が冷たいと、 ベットに入っても寝つけない事がある。 そんな時は、 足の指と指の間をつまみながら引っ張ると、 血液の流れが良くなって温まってくる。 足指の間を刺激すると、 様々な不快症状を和らげる効果がある。 ★暖房器具や鍋物等で、冬は火傷の多い季節。 赤くなるのが、T度、水疱が出来たらU度、 細胞が死ぬ状態ならV度と呼ぶ。 又、体表全体の5分の2以上が火傷したら、 死亡する危険が高くなると言われている。 ★冬の夜に、 冷え性で眠れない人にすすめたいのが、 檸檬や蜂蜜を入れたホットワイン。 欧米では風邪薬としても飲まれていて、 体を温める効果は絶大。 ポリフェノールが血行を良くし、 動脈硬化の予防にもなる。 ★寒いと顔色が青くなるのは、 体温を一定に保つ為。 人体表面の毛細血管が冷たい外気にさらされ、 血液温度が低くなると体温も下がる。 そこで、体温低下を防ぐ為に、 流れる血液量を減らすので顔色が青く見える。 ★冬になるとかゆみを伴う程、 皮膚が乾燥するのは気温のせい。 気温が低ければ低い程、 空気中に水分を保つ事が出来ない。 つまり空気が乾燥する為に、 肌の水分も失われてしまい、 カサカサになってしまう。 ★冬場の水仕事は辛く、 乾燥肌の人でなくてもアカギレ対策は欠かせない。 食器を洗う時等は、ゴム手袋をする等、 肌の脂分が落ちないように気を付けよう。 又、中性洗剤を、 汚れた皿等にあらかじめ付けておくと良い。 ★乾燥や重ね着で、 冬は静電気を体に溜め込みやすい。 更にパソコン等から電磁波を長時間浴びると、 自律神経が影響を受けて体を冷やす原因にもなる。 洋服用の静電気防止スプレーや、 備長炭等を活用して帯電を防ごう。 ★冬に風邪をひきやすいのは、 長時間寒い所に居ると、 体の機能をコントロールしている自律神経が、 一時的におかしくなるから。 バランスを失って抵抗力が衰えた体は、 あっけなくウィルスにやられてしまう。 ★宴会が多い季節に、 お父さんの肝臓の疲れをとるには、 生姜の温湿布が良い。 生姜をおろして布の袋に入れ、70℃の湯で煮出す。 タオルを浸してよく絞り、 肝臓のある右胸の下に20分あてる。 一週間で効果あり。 ★真冬でもTシャツ1枚に、 セーターでOKという人も居る。 寒さは皮膚の神経でキャッチし、 脳に信号が送られて感知されるのだが、 この神経の感度は人によって差があり、 それが敏感な人は寒がりで鈍感な人は寒さに強い。 ★スポーツに関しては、 どうしても男に比べて女は分が悪い。 筋肉の成長を促すのは男性ホルモンだからで、 女性ホルモンは脂肪の生産を促進する。 女は筋肉がつきにくく脂肪がつきやすい為に、 スポーツには不利な体となる。 ★人の体温が36.5度前後というのは、 体内の酵素が一番働きやすい温度だから。 哺乳類が進化した地域の年間平均気温は25度で、 これに、 体内での産熱、体から出る放熱等を総合すると、 36.5度が適温となるのだ。 ★体の動きを司っているのは、 脳の中にある豆粒程の大きさの脳下垂体。 全身を自由自在に操るが、 大きなショックを受けると、 機能不全となり働かなくなる。 驚いた時に体が固まって動けなくなるのはその為。 ★寒い時ブルブルッと体が震えるのは、 熱を作り出すメカニズム。 体温はさまざまな器官で作られるが、 寒いと脳から「震えろ」と指示がいく。 筋肉を小刻みに収縮・弛緩させ、 摩擦熱を生み出し、 体内に熱を蓄えようとする。 ★お腹が一杯になると眠くなるのは、 体中の血液が食べ物を消化しようと胃に集まり、 脳の働きが鈍くなるから。 脳は体重の2%の重さしかないが、 全身の血液の20%を必要とする程に、 重要な働きをする。 ★睡眠は目覚めている時にフル活動している脳を、 休ませると同時に、不安、恐怖等、 精神的疲労からの回復という働きもある。 この不安や恐怖があまりに大きいと、 疲労は回復しきれず夢という形で発散させる。 ★緊張するとオシッコをしたくなる事がある。 尿意は膀胱にオシッコがたまって、 一定以上の圧力になると脳に伝わる事で起きるが、 緊張すると交感神経が働き、 膀胱が収縮する為に、これと同じ状態になる。 ★オナラには臭いものとそうでないものがある。 臭わないオナラは口から入った単なる空気で、 臭いオナラは血液から腸へと出たガスや、 食べ物のカスが腸内で発酵したガスを多く含む。 発酵したガスは特に臭いという訳。 ★ニキビができる人とできない人の違いは、 男性ホルモンにある。 皮脂が毛穴につまって炎症を起こすのがニキビで、 この分泌を盛んにするのが男性ホルモン。 思春期に多く分泌される為に、 男子高校生にニキビ面が多い。 ★好きな人を見ると、 目がキラキラ輝くような気がするのは、 好きなものを見ると瞳孔が開くから。 女性に赤ちゃんの写真を見せると、 瞳孔が開くように、 男性に女性のヌード写真を見せると、 同じように瞳孔が開くという(笑 ★ワキガの原因ともなり、 フェロモンの効果でもあるニオイは、 アポクリン腺から出る汗の成分が、 皮膚表面の細菌で分解されたもの。 汗を出す汗腺は200〜300万あり、 アポクリン腺は ワキの下、乳首のまわり、外陰部、耳等にある。 ★怒ると顔が赤くなる人と青くなる人がいる。 これは自律神経のうちの、 休養状態を作る副交感神経が、 皮膚の末梢血管を広げると赤くなり、 活発な状態を作る交感神経が、 末梢血管を縮めると青くなるからで、 人によって違う。 ★「苦々しい」とか「苦虫を噛み潰した」 等というように、 苦味は不快で、 神経がピリピリした状況を表す事が多いが、 これには科学的な裏付けがある。 実際に、ストレスや疲れがたまると、 苦味を感じる味覚が敏感になる。 ★鏡等で舌の表面を見ると、 小さなツブツブがあると思うが、 これは「舌乳頭(ぜつにゅうとう)」というもの。 これには「味蕾(みらい)」と呼ばれる器官があり、 大きさは僅か0.04mmしかないが、 ここで口に入れた物の味が判断されている。 ★熱中症防止に塩を舐めたり、 病気や怪我の治療に食塩水が使われたりするのは、 人体に塩が不可欠だから。 体が疲れた時に、 しょっぱい料理が食べたくなるのもそのせい。 人間は本能的に塩の重要さを知っているのだ。 ★風邪をひいた時、39度以上の高熱ならまだしも、 38度前後くらいで、 熱冷ましの薬を飲む必要はないという医師が多い。 熱は身体をだるくさせるが、 同時に、 風邪の原因となるウイルスの活動も抑えるから。 ★風邪薬には、 必ずビタミンCがたっぷり含まれている。 これは、ビタミンCが、 カゼウイルスに対する抵抗力を、 つける働きがあるからで、 モルモットによる実験でも証明済みだ。 冬はビタミンCの豊富な食品を食べよう。 ★ヒビは裂け目が表皮にとどまっているもので、 アカギレになると、 裂け目が真皮にまで及び毛細血管まで到達する。 アカギレになった時はワセリン等を塗り、 ラップを巻いてから靴下や手袋等をすると、 症状がやわらいでいく。