水の話

★人が生きていくのに最低でも、 1人1日2.5リットル程度の水が必要だが、 宇宙へ行くスペースシャトルでは、 重量等の効率性を重視し、 燃料電池から出る水や、 屎尿を含む船内の排水を高度処理し使用する。 但し、飲用水は出来る限り運んでいる。 ★食品を切る時に安全面や衛生面から、 “ウォータージェット加工” という水で切る技術が用いられている。 また、医療分野でも、 生理食塩水によるウォータージェットメスが、 肝臓手術等に使われている。 水圧を調整する事で出血量を抑えられる。 ★日本の国土面積の67%が森林。 樹木の根は雨水を貯え、 葉の面からは上空に水蒸気を発散上昇し、 上空で雲を作り、 その雲は雨となって再び地表に降り注ぐ。 この水の循環作用は、 自然環境の維持に貢献している。 ★今や何処の家でも浄水機を付けるのは、 当たり前になってきている。 トリハロメタンや鉛、残留塩素等に効果があるが、 物によっては、 体に良いミネラル成分まで取り去ってしまう。 浄水機を選ぶ時は機能をしっかり見極めよう。 ★最近、自然環境の保全、復元の為に、水辺に、 アシやヨシ等を植えた人口的なビオトープが、 建設されるようになった。 このビオ(生物)トープ(空間)は、 環境条件ごとに成立する“生息空間”を意味し、 汚染を自然生態系により浄化する。 ★緑茶や紅茶、中国茶を美味しく飲むには、 軟水が向いている。 鉄、カルシウム、マグネシウムは、 お茶の色を悪くし、 “まろやかさ”“渋み”といった お茶本来の味を損なうからで、 これらを多く含む硬水は向いていない。 ★地震等の災害時に水の確保は重要。 被災時に自宅に居たら、 まず水道の蛇口を開けてみる事。 水が出るなら蓋のある容器に汲み置きをする。 他にもトイレのタンク水も、 洗浄剤等を使っていなければ飲料水として可能。 ★石鹸は油汚れ、合成洗剤はタンパク質や、 石油系の汚れを落とすのに適している。 ぬるま湯〜冷水では合成洗剤を、 水温が高かったり、 金属分が少なければ石鹸を使用する。 汚れの性質や、 洗剤、石鹸の性質を知って節水しよう。 ★文豪・森鴎外は医学者でも有名で、 1884(明治17)年に、 陸軍軍医としてドイツに渡った時、 ベルリン、ライプチヒ等の、 都市を周り下水道について調査。 帰国後、その重要性について、 論文や講演等で発表している。 ★軟水である日本では、 炊く、煮る、茹でる、蒸す等の調理法が主流だが、 硬水をそのまま使えないヨーロッパでは、 油で炒めたり、 水蒸気を利用して少量の水で蒸し煮したり、 野菜自体から出る水分で調理する。 ★水は一瞬のうちに形を変える事が出来る為、 地震から、 建物を守る制振装置として使われている。 ビルの屋上に水槽を設置し、 地震の時に起こる波の動きを、 エネルギーに変えて、 建物の揺れを減らす役目をしている。 ★沸騰させてから冷蔵庫で1時間冷やすだけで、 水道水は美味しくなる。 沸騰させると薬臭さが消えると同時に、 酸素や炭酸ガスも抜けるが、冷やす段階で、 空気中の酸素や炭酸ガスが、 水に溶け込み美味しい水となる。 ★塩素が沢山含まれる水道水の、 お風呂は皮膚を痛める。 緑茶をストッキング等に入れて攪拌したり、 柑橘系の果物を半分に切って、 お風呂の中に入れるだけで、 塩素はマイナスイオンに変わり、 無害どころかお肌はツルツルに。 ★東京都の一般家庭で1人が使う水の量は、 1日約250リットル、 2リットル入りのペットボトル125本分。 内訳は炊事23%、お風呂24%、 洗濯24%、トイレ21%。 20年前に比べると1日50リットルも増えている。 ★気が付かないうちに無駄使いしている水。 歯磨きはコップに汲めば0.6リットルだが、 出しっぱなしにすると6リットル、 洗車はバケツに汲めば30リットルで済むが、 ホースで流し洗いすると240リットルも使う。 ★東京ドームの屋根に、 1mmの雨が降ると16tもの雨水がたまる。 この膨大な雨水は、 客席の下にある貯水タンクに集められ、 トイレ等の雑用水や冷却用水、 災害時の消化用水等に、 リサイクル使用されている。 ★水でけがれを流す「みそぎ」は、 「古事記」や「日本書紀」にも登場する程、 古くからある日本の習慣。 今でも葬式に行くと「清めの塩」をもらうが、 塩は海水の象徴で、けがれを、 海水で流すという意味が込められている。 ★細菌汚染された水を飲用して、 コレラや赤痢等の伝染病患者となるのは、 全世界で毎年日本の総人口の2倍、 2億5000万人にもなる。 そのうち、東京都の全人口に近い 1200万人もの人々が死亡している。 ★水道水が美味しいと定評がある都市は、 カナダのバンクーバーと日本の神戸。 地質学的にもこれは証明されていて、 水源地の水が両都市とも、 花崗岩系の岩の間をくぐって来る為に、 不純物がこし取られるから。 ★地球には水圏という水のある場所が、 約3億6200万3000キロ平方メートルある。 このうちのほとんどは海で、 なかでも太平洋の面積は、 約1億6600万キロ平方メートル。 世界中の海洋面積の45.9%を占めている。 ★川や田んぼに、 コサギやユリカモメ等の白い鳥がいる場合は、 その水域は汚れが進行、河原に 西洋カラシナ、タンポポ等の、 外来種の黄色い花が沢山咲く場合は、 リンや窒素等の栄養塩類が増大している等、 生物でも汚濁状況はわかる。 ★古代四大文明の、 黄河、インダス、メソポタミア、エジプト文明は、 いずれも大河川の流域で栄え滅びている。 これは水利用による農業の発達や、 水による土壌の塩類化が、 滅亡への糸口ともなっている。 ★国土交通省が、 2002年4月に検討を始めたのは「汚水排出権」。 下水に流される汚染物質を、 少なくする為のシステムで、 一定値以下の汚染物質しか排出しない自治体は、 一定値までの、 汚水排出権を買ってもらえるという。 2005年の下水道法改正により導入。 ★世界保健機構(WHO)によれば、全世界の人々に 「蛇口(上水道)とトイレ(下水道)」を、 2025年迄に用意したいそうだ。 但し、必要な予算は9兆ドル(約1080兆円)と、 莫大な金額になる事が予想される。 ★水ビジネスは巨大化する一方。 フランスのビベンディ社は、年間売り上げが、 3兆8800億円という超巨大会社で、 世界の民営化水道の約30%を握る。 人口急増中のアジアを、 有望市場と見て売り込みに夢中だ。 ★日本の水道料金は、 国民1人あたり年間約2万4千円、 総額で3兆円にも達する。世界的に見ると、 日本はフランスの1.5倍、アメリカの2.3倍も高い。 民営化すれば、 今の約半分まで値下げ出来ると言われている。 ★水道の民営化には問題も多い。 フィリピンのマニラ市では、 1998年に民営化し水道料金は半額になったが、 独占した企業は毎年値上げをし2倍となった。 儲けを第1に考える企業の欠点といえよう。 ★世界の民営水道会社ビッグ3は、 フランスのビベンディ社、スエズ・リヨネーズ社と イギリスのテームズウォーター社。 全てヨーロッパ企業なのは、 古代ローマの水道事業からの、 伝統と経験があるからと言われている。 ★「ブルーゴールド」とは、 味が良く綺麗な水の事で、 容器詰めの飲料水メーカーは、 世界中を探しまわっている。 フランスのダノン社、スイスのネスレ社が、 世界の2大メーカーで、 日本国内にも調査員が入っている。 ★日本郵船が2003年2月から、 本格的に研究開発し始めたのが、 世界初の飲料水専用輸送船。 慢性的な水不足に悩む中東各国、 地中海のキプロス島等に、 4〜5万トン単位で水を輸送する計画で、 早くも注文が殺到している。 ★「エビアン」のブランド名で、 全世界に輸出されているフランスの鉱泉水は、 内臓系疾患に効能がある温泉から生まれた。 初めは、 湯治だけだったが飲用にも効果ありとされ、 今では「水の聖地」とまで言われている。